犬を迎えるってどういうこと?

今回は、犬を飼い始めた人に伝えたい心構えのようなお話になります。
犬がすっかり大切な家族になっている方も、「そりゃそうだよね~!」という気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

 

私が初めて犬と暮らし始めたのは5歳の頃でした。母親が「名犬ラッシー」に出ていたコリー、ではなくダックスフンドに憧れて、近所の小さなペットショップに相談に行き、その頃は子犬の店頭販売はほとんどなかったため(今から30年以上前のお話です)、遠方のブリーダーを紹介されて購入しました。その犬との暮らしについてはこちらに書いてあるとおりです。色々なことがありましたが、彼(犬)の存在は私にとってとても大きいものでした。たった1頭でも、犬が家族として加わるということは、その人、その家族に大きな影響を与えるものだと思います。

 

犬を飼う、という現実

 

犬を飼うと決めたとき、誰もがこれから始まる新しい生活にドキドキワクワクし、何とも言えない高揚感に満たされるのではないでしょうか。でも実際に連れて帰ってくると、これがなかなか大変で、想定外のことがたくさん起きてしまいます。ネットを検索しても、本を読んでも解決しないことだらけです。

「生き物を飼う」というのはそういうことなのだと思います。

特にしつけに関しては、私たちもできるだけ役立つマニュアルを作ろうと努力していますが、マニュアル通りにいかないことはあります。簡単にいかないからこそ、奥が深くて面白いのですが。

 

そして、犬を飼うにあたって捻出しないといけないのが、

「時間」と「お金」です。

これは、犬の年齢や犬種、それぞれが持って生まれた性質によっても異なってくるでしょう。特に子犬の場合は、犬種などに関係なく、人と生活する上で様々なことを教える「時間」が必要です。この時間は、犬との関係を深めていく、とても楽しい時間でもあるので、飼ったのなら忙しくてもなんとかして作ってもらいたいものです。

また、健康に成長し・長生きしてもらうためには、適切な食べ物、医療、グルーミングが必要になります。

 

 

私は常々、犬を家庭犬として飼うということは、

贅沢な娯楽

だと思っています。(使役犬の場合は異なります)

家庭犬は生活必需品ではありませんし、時間もお金もかかる上に飼ったからといって、他の人に称賛される訳でもありません。

「人間と全く異なる生き物との共同生活を楽しむ10数年という時間を買う」

という少々マニアックな娯楽なのです。本来、それにかけられる物理的・精神的余裕がない状況では飼うべきではないと思いますが、もしもう手元に犬が来ている場合は、覚悟を決めて、ぜひこれからの犬との時間を存分に楽しんでください!

 

ポッキー

 

 

 

責任者になる覚悟


犬を飼っていくにあたって、様々な役立つサービスがあります。
病院、トリミング、トレーニング、ショップ、ペットホテル・シッターなどです。
それぞれの分野のプロと良好な繋がりを持っておくことで、世話の一部をアウトソーシングすることもできますし、早めに適切なアドバイスを受けられるようになります。

 

ただし、これらはあくまでもサポートするものであって、その犬の責任者は、どんなに経験が浅かったとしても、

飼い主さん自身です。

その犬が心身ともに健康に暮らせる環境を用意することや、人社会のマナーを教えること、早めに体調の変化に気づいてあげることなど、飼い主さんには犬の保護者として責任を持って犬と向き合ってもらいたいと思います。

 

 

犬を迎えるということは、子供を育てるのと同じくらいの覚悟を持ってもいいと思います。
犬には義務教育もなく、子供以上に世間の目が届きにくいので、飼い主の気持ち一つで簡単に

ネグレクト(飼育放棄)状態

になってしまいます。
そうなってしまわないように、楽しくトレーニングし、犬との関わり方を知ってもらうのがシリウスの役割だとも思っています。

 

 

「犬を捨てる」という選択肢がなくなるように

 

 

シリウスには毎週のように、新しい犬たちとその飼い主さまが来てくれます。
新しい家族の元へ迎えられた犬たちが、その家族に溶け込み、たくさんの楽しい時間を過ごせるようにサポートしたいと思っています。
そんな中で、私の目標は、

「シリウスと関わった飼い主さまが一人として、自分の犬を『捨てる、保健所に連れて行く』という選択肢を考えない、選ばない」

ということです。
10数年(犬の一生)という長い歳月の中では、様々なことが起きる可能性があります。今は当たり前のように犬の世話ができていたとしても、数年後には状況がすっかり変わってしまうかもしれません。しかし、人と犬が深い関わりを持てているとき、人はどんな状況になったとしても、

信頼できる人に託す、という可能性はあるにしても、その犬を捨てる、という選択肢を選ばない

と信じていますし、1頭でも多くの犬が、最期まで最初の飼い主さんの元で幸せに暮らせることを願っています。

 

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「安心して預けられるように」(シリウス✩ブログ)

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「犬を飼うってステキですか?」(東京都衛生局)

 

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辻村

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