前回の続きで、またトイレ関連の質問にお答えするブログを書きます。トイレシート、家具、壁、床・・・色々な物を子犬に噛まれて悲鳴を上げている飼い主様は少なくありません。子犬と部屋で生活するためには、それなりの準備と覚悟が必要です。
【目次】
1.環境設定に問題はありませんか?
2.子犬は物を噛む生き物なのです
3.コング大好きっ子に育てよう
1.環境設定に問題はありませんか?
前回のブログでお話したとおり、子犬が過ごすための広めの空間を用意し、トイレと寝床以外にも過ごせる空間を作ってあげてください。そうすれば、トイレばかりが気になってしょうがない、ということにはならなくなります。
また、初めのうちはトイレのスペースを広く取ってもらいたいのですが、シートを噛んで困るようであれば、大きな網目付きのトイレトレ―を設置するようにしてください。
網目の付いたトイレトレーだとうまくいかない場合は、洗えるトイレシート(商品名:プーチパッド)もお勧めです。丈夫な布製で、紙のトイレシートのようには破けないので、普通に敷いても問題ありません。
2.子犬は物を噛む生き物なのです!
3~10か月くらいの子犬は、とにかく何かを噛みたくてしかたありません。人間の子供が手を使って色々な物を触って確かめながら手の使い方を覚えていくのと同じように、子犬は物を噛んで遊びながら口・顎の使い方を覚えていきます。また、
4か月くらいに子犬の歯は、乳歯から永久歯に生え変わります。
数週間で28本もの乳歯が抜けて、その後42本の永久歯が生えてくるのです。この抜ける時期は特に、口の中がかゆくて気持ち悪いので、近場にある噛める物を片っ端から噛んでしまうでしょう。
また、犬は雑食性の動物なので、獲物を解体して捕食する行動も備わっています。特にトイレシートやぬいぐるみといった壊すことができる物は特に好んで噛んでしまいます。
「子犬の噛む行動自体を止めることはできません」
人間にとって困らない物を噛むように仕向けてあげることが子犬と家の中で一緒に暮らすための重要なポイントです。
3.コング大好きっ子に育てよう
様々な犬用の噛めるオモチャやオヤツがありますが、シリウスがまず一番にお勧めしたいのはコングです。
「あ、これ知ってる」
「前の子で持ってたけどほとんど使わなかった・・・」
「使ってみたけどすぐに飽きちゃった」
などなど、色々なお声を頂戴します(苦笑)
犬の知育玩具の中でもかなり歴史のあるオモチャで、多くのドッグトレーナーや獣医師が勧めているのですが、使い方が十分に広まっていないのかもしれません。
コングを使い始める時のポイントは、
「少しずつレベルアップする」
です。
幼稚園児に東大生が答えるようなクイズを出してもちんぷんかんぷんで飽きてしまいます。同様に、コングに食べ物を詰めるのにもレベルがあるのです。初めは簡単に、少しずつレベルを上げていきます。
- コングで一緒に遊ぶ
数粒ドッグフードやオヤツを詰めて転がします
- ふやかしたフードや缶詰を中や表面に塗る
慎重な子は、中に入れるだけではうまく食べられないかもしれません。表面にも塗って、舐めさせる経験をさせてください。
- 一人遊びを教える
1,2でコングが食べ物が出てくるオモチャだということが分かってから、詰める量を増やして一人遊びができるようにしていきます。
初めは、ドライフードをそのまま奥に詰め、入り口はふやかしたフードを詰めるようにします。
- 少しずつ難しく、時間がかかるように工夫していく。詰める物を変える。
ふやかしたフードでもすぐに食べてしまうようになってきたら、次はふやかしたフードを詰めてから凍らしたり、フードだけでなく市販のコング用ペースト缶やヨーグルトやバナナ、レバーなど塗り付けやすいものを塗って味のバリエーションを変えたりします。ガムやクッキーなど大き目のオヤツを押し込んで取り出すのに時間をかけるのも良いでしょう。
コング以外にも退屈しのぎに与えるものとしては、骨などの硬いオヤツもあります。ただ、特に小型犬は歯が弱く、欠けてしまう危険性もあるため注意が必要です。また大型犬は飲み込む危険性があるため、見ていない時に与えるのは心配です。その点、体のサイズに合ったコングであれば、留守番時も安心して与えることができます。
うちの犬はもう11歳になりますが、今でもコングを手にすると喜んで走り回ります。こうなってくれるとあまり気後れすることなく留守番させられます。